A.T.

入社以来、神戸工場で鉄スクラップの選別、加工など鉄リサイクルに関わる一連の業務に携わっています。工場に持ち込まれる鉄スクラップは、空缶、スチールロッカーのような比較的小型のものもあれば、ビルや工場設備を解体した際に発生する大型のものまで、鉄を構成している成分比率や、状態なども含めると実に多種多様です。それらを適切に分類し、リサイクルしやすいように加工して次の現場に送り出すのが私の仕事。中にはスプレー缶のような危険物が含まれていることもあるので、作業前の危険ポイントの確認を徹底し、無事故無災害を心がけています。

毎日大量に入荷してくるスクラップの中には、時にレアメタルのような上等なものが含まれていることもあり、まるで宝探しのようなおもしろさがあります。選別は目視でおこなっており正確さや早さが要求されますが、先輩たちの動きにはまったく無駄がなく、自分はまだまだだと思い知らされる毎日。作業を効率化するためのコツなどは、試行錯誤しながら自分で編み出すように努力しています。とはいえ、入社当時にはまったくわからなかった選別基準なども覚え、今ではスムーズにできるようになりました。日々経験を積むことが直接スキルアップにつながっていくのを実感しています。

クレーンなどの大型重機を操作することに憧れがあり、工場見学でベテランの方たちが自由自在に重機を動かしている様子を見て、とてもかっこいいなと思ったのがきっかけです。あたりまえですが、学生のころは鉄スクラップというものに関わったこともなければ、意識したこともありませんでした。今では、普段の生活の中で「この廃材は質がよさそうだな」「このレールはいつ頃廃棄されるんだろう」といった視点も自然に持てるようになりました。

インフラ整備や日常生活に欠かせない鉄の流通は、今やリサイクルが主流と言っても過言ではないでしょう。自分の仕事が経済を回している歯車の一つなんだと思うと、非常に誇らしいです。
以前、焦って作業しクレーンのワイヤーに不具合を生じさせてしまったことがあります。扱っていた荷物は無事だったのですが、場合によっては大惨事になっていたかもしれません。反省し二度と起こらないよう、焦らず丁寧な作業を心がけています。もちろん厳しい注意は受けましたが、上長が「次からどうしていくか」を考え、今後を見据えた再発防止策を提案してくれたことがありがたかったです。私も後輩に教える立場になった際には見習いたいと思っています。

目指すのはクレーン操作の上達と、より効率的に作業できるようになることです。例えば荷物を重機で移動させる際、一時的にどこに置くかという判断一つとっても全体の流れに影響します。少しでも無駄のない動きができるように考えていきたいです。さらに追及したいのは安全面と早さ。自分の基準だけでなく、第三者から見たときに安心感のある仕事ができているかを徹底したいと思っています。
取りたい資格もまだまだたくさんあります。入社してから国家資格であるクレーン運転士や玉掛作業者、ガス溶接などの資格を取りましたが、今後の仕事の幅を広げるためにも、より高度な資格試験に挑戦していきます。

シマブン神戸工場には毎日たくさんの鉄スクラップが入荷し、出荷されています。私が所属する部署は、この様子を間近に見ることができる、いわば鉄リサイクル業界の最前線。入社してからは鉄の重要性に気づくことができ、今まで目につかなかったものにも興味を持てるようになりました。シマブンに出会わなければ知りえなかった感情だと思います。自分に関係ないと思っていた世界とどこで出会い、どこで交わるかわかりません。交わるだけでなく、その世界の一員になることだってあり得ます。先がわからないからこそ今できることを精一杯がんばって、未来の出会いと経験を大切にしてください。